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ジャンル:人間ドラマ
製作国:その他
監督:カリン・ペーター・ネッツァー
主演:ルミニツァ・ゲオルギウほか


「私の、息子」を先日観たのでレビューに追加!!ルーマニア映画を観たのは恐らく初めてだと思います。

ルーマニア。名前はよく聞くような気がするけど、「東欧」であること以外ほとんどその国のことを知りません。

ルーマニアは2005年あたりから、「ルーマニアン・ニューウェーブ」と呼ばれて注目されるくらい、良作品を創出している映画新興国。ここ10年では2007年のカンヌ映画祭でパルムドール(最高賞)受賞の「4ヶ月、3週と2日」、女優賞と脚本賞の二冠を受賞した「汚れなき祈り」が一番有名です(というかこれしか知らないです)。

そんな良作なルーマニア映画のなかでもこの「私の、息子」はここ20年間で最もヒットした映画だそうです。2013年のベルリン祭でも最高賞の金熊賞と国際映画批評家連盟賞の二冠を獲得(公式ページより)。

内容としては、子供を持つ自分にとって「ゾッ」とするような出来事を題材にした人間ドラマが描かれいていました。

「私の、息子」のあらすじ

建築家、舞台芸術家として成功した初老女性の悩みは、30代の一人息子からいつもつらく当たられること。そんな彼女のもとに一本の電話がかかる。

「あなたの息子が車で人身事故を起こし、子供を死なせた」

警察署に駆けつけると、ショックでうなだれる息子が陳述書を書いている。警察署に着くなり、現場を仕切りはじめる母親。「制限速度110キロの道路を140キロで走っていた」と息子が書いた陳述書を「制限速度通りの110キロで走っていた」と書き換えるように息子に指示を出す。さらに実力者で顔の広い母親は方々に電話をかけ、息子が裁判で不利にならないように根回しを始める。被害者の親族がいる横で。

まさにモンスターペアレントな母親の行動と心情をモンスターペアレントの視点で描かれているところが新鮮で面白い!金と知識と地位を利用して、あの手この手で息子の社会的な立場を守ろうとする母親と、母親に暴言を吐き拒絶しながらも甘え通しの中年息子。

どんな面白さ?

「こいつはモンスターペアレントや・・・」

親子の愛情の物語うんぬん以前に、まず最初に強烈に感じました。息子と同居する息子の恋人を憎み、息子の自宅に忍び込んで掃除洗濯など家事を勝手にこなした上に恋人を家から締め出すほどの「甘やかし」と「モンスター」の徹底振り。子離れできない母親と、親離れできない息子を傍らで冷静に見つめる恋人が、ついに母親に明かす息子の素顔。

クライマックスで被害者の家族へ謝罪に行くシーン。自分のことしか見えていない母親の言動は、異様でもありながら、息子を必死で守る母親の姿でもありました。そして、最後の最後に息子がとった決断とは・・・

当初は母親の息子を守るための横暴な「根回し」にムカムカしてきたけど、これはルーマニアという国での階級社会や政治腐敗の実状を描いたものだそうです。うーん、それにしてもこんな「金」「実力」「地位」の三拍子揃っちまったモンスターペアレントなんて、周りはたまったもんじゃない・・・

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