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「サンドラの週末」アカデミー賞外国語部門ベルギー代表、カンヌ映画祭コンペティション部門正式出品、シドニー映画祭グランプリ。そんな華々しい受賞歴を獲得した映画が5/23にBunkamuraル・シネマにて上映!!

監督はダルデンヌ兄弟。カンヌ映画祭で二度のパルムドール受賞、これまで発表したうちの5作品が連続でカンヌ映画祭の主要賞の6賞を受賞するというモンスター巨匠。

「映画が面白いかどうかは、映画祭での受賞歴とはカンケー無いね」なんてうそぶいてみても、そんな華々しい経歴が気にならないと言えば嘘になります。いや、超気になります。それくらい、この映画は実績がある。
でもそれ以上に気になるのは、「リストラという悲劇を通じて、働くことの意味を再定義する」という地味なテーマです。

「サンドラの週末」のあらすじ

体調不良から休職していたサンドラはまもなく復職する予定。やっとのことで手に入れたマイホームのローンの返済や家族の養育などの為にも、夫とともに働くことを決意していたサンドラ。ところが、ある金曜日に突然上司から解雇を言い渡される。

サンドラの同僚が会社と掛け合い、会社と取り決めを交わしてきた。それは、週明けの月曜日に16人の従業員全員で投票を行い、16人中過半数である8人以上がボーナスを諦めればサンドラは仕事を続けられる。というものだった。そしてその週末、サンドラは同僚たちを訪ねてまわり、ボーナスを諦めるように説得を試みるが・・・

フリーター、派遣社員、正社員、フリー、経営者、形は違えど大抵の人は何らかの形で仕事をしている。そしてその仕事観や働く動機は人それぞれ千差万別。「生活維持のため」「自分を高めるため」「社会との関わりを維持するため」「自己実現のため」。自分が何のために働くのかを意識することは少ないけれど、サンドラのように突然仕事を失ったとき、否応なしにこれと向き合わざるを得なくなるような気がします。

以前、勤める会社の取引先の営業の人が半年間以上連絡が途絶えたあと、ある日「挨拶に伺います」と久しぶりに訪ねて来たことがあります。そして以前とは全く違うデザインの名刺を渡されて「実は転職しました」とのこと。半年間連絡が途絶えていたのは、もともと勤めていた大手商社から突然リストラされて、その後半年間は求職活動をしていたからとのことでした。

転職したいけど転職の経験も勇気もない自分にとって、転職経験者の話は聞いてみたい。興味津々で「どうやって転職活動したんですか!?」「転職して良かったですか?!」「転職するのって大変なんですか?!」と根掘り葉掘り聞くと「転職活動中、自殺まで考えましたよ」と予想だにしなかったヘビー級に重い回答が・・・思わず「なんでですか・・・?」と聞いてしまいました。

するとその人は「周囲がみな働いているのに、自分だけ働いていないという罪悪感に苦しめられた」ということでした。生活が困窮していたわけではなかったし、営業という仕事への自信を無くしたわけでもなかったらしいのですが、「とにかく何も仕事ができない状態への罪悪感だった」と。

失業というショッキングな出来事のなかで自分が何を感じるか?そこで感じたことが、その人がどんな仕事観を持っているのか、何を動機に働いているのかを浮き彫りにさせるのかもしれないと感じました。

そして、もし自分が突然会社からリストラされたら・・・?「明日から思いきりやりたいことやってやる!」とワクワクしているような気がする・・・

働くということを考えるきっかけにしたい「サンドラの週末」は5/23からBunkamuraル・シネマにて上映!です

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