濃くて面白い映画だけの情報サイト



いま巷では2/21から公開されるクリント・イーストウッド監督作品「アメリカン・スナイパー」の話題で沸騰しています。この作品、常にヒットを飛ばすクリント・イーストウッド作品のなかでも過去最高の興行収入を記録しているそうです。そして160人のイラク人を射殺した実在のクリス・カイルさんという人物を描き、更に実在のクリスさんが先日殺害されてしまったことも、皮肉にも話題を呼ぶ追い風にもなっているようです。あとはイスラム国の影響も強いでしょうね。

自分はよく誤解されるのですが、こんな「マイナーだけど濃いミニシアター系映画だけの情報発信サイト」を運営していると、「アンチ・ハリウッド」だと思われることが多いです。でもそんなことは全く無く、ハリウッド的作品も気になるし観ます(先日は子供を連れて「アニー」を観てきました)。ただハリウッド的超大作はこのサイトに掲載しないというだけです。それはキライだからではなく、このサイトよりもはるかに大手の映画情報サイトや有名なブロガーの人たちが、もっと詳細な情報を紹介したり深くレビューしたりしているので、わざわざこのサイトに掲載する意味がないからです。あと、そもそもの理由として「マイナー・ミニシアター系映画」と謳っておいてハリウッド系超大作も織り交ぜてしまうと、マイナー・ミニシアター作品の情報を求めてこのサイトに来てくれた人達が混乱してしまう。というのが一番ですかね。

でもこの「アメリカン・スナイパー」は個人的に超気になる!!でも上記の理由で載せられない・・・うーん・・・どうすりゃいいんだ・・・そうだ。「アメリカン・スナイパー」そのものズバリの情報ではなく、この映画に関連したマイナー・ミニシアター系の濃すぎて最高な映画の情報を併せて紹介すれば辻褄が合う!

ということで「アメリカン・スナイパー」に関連した濃ーいミニシアター系映画の特集記事です。

この「アメリカン・スナイパー」という映画はイラク戦争で現地で戦った一人の狙撃兵を描きますが、ポイントは単純にそのアメリカ軍兵士を英雄視(またはその逆も)したり、悲劇的なところばかり取り上げるのではなく、同時に戦争の麻薬的狂気も描いているところかと思います。そして、近年頻発している中東での戦争の狂気や実態を描いた映画は結構たくさんあります。その中でも特に衝撃を受けた映画は、イラク戦争をイラク側視点で捉えた「リトルバーズ -イラク戦火の家族たち-」と、アフガニスタン戦争での兵士の狂気を捉えた「アルマジロ」。2本ともドキュメンタリー映画ですが、「アメリカン・スナイパー」を観る前に(もしくは後に)一度観ておくと、絶対に深く観れる!

「リトルバーズ -イラク戦火の家族たち-」怒りのドキュメント



もう既に制作から10年近く経過しているドキュメンタリー「リトルバーズ -イラク戦火の家族たち-」。これがね、もうすごくて言葉にもならなかったです。退屈すぎて二回に分けて観た映画は結構あるけれど、衝撃が強すぎて二回に分けて観た映画は後にも先にもたぶんこの映画だけです。「泣いた」とか「感動した」とかそういう次元の言葉では言い表せない。

この映画「リトルバーズ」は、綿井さんというジャーナリストによるドキュメンタリーなのですが、アメリカ軍が攻撃したイラク(主にバグダッド近辺の都市部)で何が起きていたかをジャーナリスト視点で捉えています。たまたま家族がいるところで見ていたのですが、最初は「子供には教育上の観点からも色々なものを見せた方が良い」と安易に考え、再生したと同時に頭は真っ白になりました。心臓はバクバクと高鳴り、軽い貧血のような状態で具合が悪くなる始末。衝撃的で観るのを2回に分けた様子と映画の詳細をレビューを2回に分けて記事にしています(1回目のレビュー)(2回目のレビュー

DVDパッケージの裏に書かれている「あらすじ」を読むと、大きな文字で「戦争って知ってますか?」という文章から始まり

「アメリカのイラク攻撃を支持したこの日本で暮らす者にとって、見逃すことは許されない衝撃の問題作。まずはこの映画を観ること。」

上から目線な言葉に「カチン」ときたけど、観たあとにそんな気持ちは完全に失せてしまった・・・そのくらい打ちのめされたこの映画、「アメリカン・スナイパー」を観るなら、まずはこの映画を観ること。

「アルマジロ」戦争には悲しさ以外に”陶酔”がある・・らしい・・・

「アメリカン・スナイパー」の主役は兵士。そして兵士を主役にしたドキュメンタリーが「アルマジロ」。アルマジロはイラクではなくアフガニスタンだけど、兵士に7か月間密着したドキュメンタリーは強烈でした。「戦争映画はあくまで娯楽なんだから、実際の戦場はあんなもんじゃない」戦争に行ったこともないくせに、この映画を観るまでは劇映画と実際の戦場は違うもんだと高をくくっていたのをくじかれました。下の画像は「アルマジロ」のワンシーン。まるで劇映画です。

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そして予告編の最後に現れる一筋の字幕

「軍や兵士たちはなぜこの撮影を許可したのか?」



それくらい戦場での兵士の実態が生々しく刻まれています。戦争というと「悲惨」「悲しい」という言葉がまず頭に浮かぶけど、この映画にはそんな空気が漂うのは若い兵士を見送る家族との別れのシーンだけ。戦場にあるのは兵士たちの戦闘していないときの「退屈さ」と、戦闘前後の「高揚感」。

若い兵士はタリバン兵を「ブタ」呼ばわりし、敵兵を仕留めることにためらいや慈悲を感じるどころか喜びを表現。「戦闘が経験出来て良かった。退屈な偵察だけなんてうんざりだ」と、まるでスリルを楽しむかのように振る舞い、爆弾で仕留めたバラバラになったタリバン兵の遺体を誇らしげに見下ろす。

そんな「狂気」の実態を包み隠さず刻んだ映画「アルマジロ」。詳細なレビューはこちら・・・