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北朝鮮の金正恩を、アメリカのテレビキャスターが暗殺する(させられる)というコメディ映画「ザ・インタビュー」。この映画のアメリカ公開が12月25日に迫っているそうです。以前から「我が国への極悪な冒涜行為」と猛批判をしていた北朝鮮が、とうとう製作元であるソニーピクチャーズのネットワークをハッキング。社員へ脅迫メールが届いたと世間で騒がれています。

世間では、この映画が原因で北朝鮮当局がソニーピクチャーズをハッキングした。といっているけど、事実かどうかは定かではないようです。気になるのはその後の日本での動向。何事もなく公開されるのか、何らかの制限がかかるのか。というかそもそも日本での公開予定はあるのか・・?それすら自分はよく知らない・・・

確かなのは、こういった政治的な攻撃は場合によって世間の大きな注目を集める格好の材料になるということ。これまでも政治的にセンシティブな内容の映画は、公開中止・禁止になったりする実例はたくさんありました。

政治的な理由で公開を制限された映画

靖国神社を題材にした「靖国 YASUKUNI」は右翼等の猛攻撃に遭い、混乱を恐れた殆どの映画館は公開を見送り、上映に踏み切れたのは1館のみ。このことが逆に話題を呼んで1か月遅れで複数の映画館で公開したところヒット。

実在のパレスチナ過激派グループ名を実名で登場させ、テロリスト役として描いた「ブラック・サンデー」は上映予定の映画館に「上映したら建物を爆破する」という脅迫が送られ、これも公開できずにお蔵入り。数十年後にTSUTAYAでレンタル品としてリリースされ話題になりました。

これらは映画製作後の公開をめぐって物議をかもした例だけど、制作段階で政治的な理由で不遇な運命を辿った例も。

先日DVDリリースされた「アクト・オブ・キリング」は、1965年に起きた虐殺被害者への取材中にインドネシア当局から突然被害者への接触を拒否されて、取材対象を急きょ被害者からを加害者へ変更したものだし、「ゆきゆきて進軍」はニューギニアで撮影したシーンを当局に没収されてしまい、それらのシーンは映画から削除せざるを得なかった。

でもね、先に述べたように、そんな一見不遇な背景も映画の一部となり、逆に効果的な話題作りやハクをつける材料になる。実際、上にあげた映画はみなヒットしてます(たぶん )。そういえば昔、ロッキー4でも対戦相手の旧ソ連人を完全な悪人として描いてソ連から抗議を受けたというのも、今思えば冷戦中の相手をわざと怒らせて、話題作りをするという巧妙な戦略だったのだろうと思います。

そんなとき、セールスフォース・ドットコムのマーク・ベニオフ社長が放った言葉を思い出します。既存のビジネス習慣をぶち壊したことで、同業社からは猛攻撃・猛批判を受け、後発のベンチャーからはアイデアを盗まれたときに放った言葉。

「我々に断りもなくアイデアを盗んだり、根拠なく批判してくる相手を我々は決して許さない。彼らに対して我々が行うことは「徹底的に無視する」こと。それだけで十分だ。」

「冒涜だ」「バカにされた」と相手を感情的に攻撃することは、経済的にも政治的にも結局は相手の思うツボになってしまうということなんだろうなぁ。