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今話題のスターウォーズ エピソード7。予告編が公開されてワクワクして仕方がないファンが勝手に(?)創作したポスターの完成度が高過ぎて、もはやオフィシャルレベルと話題です。たしかにこれらの作品はプロと言われても何の違和感もありません。

何よりも「ファンが好きすぎて創作した。勝手に。」というところが素晴らしいです。本当に好きでやってるだろうから嫌みがなく清々しい。 こういうことを勝手にやってしまうのは著作権うんぬんとか微妙な問題もあるのかもしれないけど、まあ良いじゃないですか。「大好き」という好意の現れなんだから。長い目で見れば、大抵のケースでは著作者にも良い影響を与えると思うし。

そしてやっぱりエンターテイメントの分野では「みんなの役に立ちたい」的な志の高いものよりも「好き過ぎて思わずやってしまった」感のある本能的創作物のほうが見ていて面白かったり感動したり驚いたり笑えたり。このスターウォーズのポスターは「スゴい」という「驚き」を与えてくれますが、その一方では好き度が高過ぎて、思い入れと思い込みが強すぎて、「笑えた」り「呆れた」りするものもあります。

呆れてしまう最高の映画 Room237

先日観た「Room237」という映画。この映画は、スタンリー・キューブリックのカルト的サイコ映画「シャイニング」のファンが、この映画をあまりにも好きで好きで好き過ぎて、関係者に何の許可も得ずに勝手に作ってしまったドキュメンタリー映画。ひたすら「シャイニング」の素晴らしさと謎を解説してくれます。

「シャイニング」の方はというと、冬は雪で閉鎖される巨大なホテルで管理人を任された作家志望のジャックニコルソン演じる中年男性が、狂気に取りつかれて連れ添いの家族を殺そうとするという、今さら解説無用のスティーブン・キング原作の名作です。ところがこの映画の中で意図的に原作から変更されたと思われる箇所がたくさんある。それも肝心な意図が意味不明で不気味。この映画ではそんな不気味で謎にあふれたシャイニングを徹底的に解説しています。

シャイニングの1シーン1シーンを丁寧に切り取って、それらのシーンをつなぎ合わせて舞台となった巨大ホテルの見取り図までこしらえて、「この部屋がこの位置にあるのは物理的におかしい・・・その意図とは・・・?!」とか、広い空が広がる何の変哲もないシーンに映る「雲」の映像が「この雲はどう見てもキューブリックの顔だ。このシーンはサブリミナル効果を狙っている証拠です」とためらいもなく主張(勿論どう見ても「雲」にしか見えない)。更にはとあるシーンの片隅に写ったステンドグラス、床に敷かれたカーペットの模様の意味、倉庫のシーンにおかれた缶詰のメーカーや、缶詰が配置された向きにまで及んで徹底的に解説する。そしてこの映画のタイトルでもある「237号室の分析」には思わず声をあげて笑ってしまった(詳細は実際に映画を観てみてください)。もう妄想がどこまでも暴走して、シャイニング関係者たちはきっと訴える気力も失せてしまうこの映画、とっても良い映画だし関係者だって呆れながらもきっと喜んでると思う。だってこのドキュメンタリーを観たら最後、シャイニングがたまらなく観たくなるから。

そしてもちろんバカバカしいだけではありませんでした。実際にとても不気味でゾッとするような謎も解説しています。例えば、女性の幽霊が出てくるバスルームのシーンが原作では217号室である設定なのに、映画では237号室に変更されている。キューブリック監督は生前にこのように語っていたそうです。

「217号室は舞台となったホテルに実在する部屋だから、映画が公開された後に宿泊客が怖がってしまう。だから実在しない237号室に変更した」

と。だが実際には217号室すら存在しなかった・・・とか、家族が乗るフォルクスワーゲンの色が原作では赤だったのに、映画では黄色に変更されていた。そして映画の後半で事故によって無残に潰れた赤色のフォルクスワーゲンが登場する・・・など原作から意味不明で不気味なアレンジが所々にされている。そんな謎にも迫っていてとても興味深いです。

そしてこの映画の公式ページはもう既に消滅している・・・でもTSUTAYAでレンタルできますぜ(予告編は以下)!!
それにしてもスターウォーズもシャイニングも、こんなにもファンに愛されるって本当にスゴイ。