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石井聰瓦監督の学生時代に制作した青春不良映画「狂い咲きサンダーロード」を観た!!観ている間は「この映画は石井監督が学生時代に制作した映画」ということを全く知らずに観ました。そして観た翌日に知って正直驚きました。こんなものを学生が作れるのか?!
だって、音楽は泉谷しげるで主演は山田辰夫、小林稔侍など錚々たる演者だし・・・とにかく迫力がすごくあった。確かに血のりや傷なんかは明らかにメイクだとわかったし、事故シーンは安っぽかった。けれど30年以上前の作品だからそれは仕方ないよな・・・なんて思いながら観ていた。だからそれなりの資本をかけて撮られた映画だと思いながら観ていた。それが学生時代に撮った超低予算映画なんて・・・正真正銘のインディペンデント映画じゃないか・・・

石井監督は大学に入学した年に「高校大パニック」を撮影して話題を呼び、翌年には「1/880000の孤独」(個人的にはこれが一番好き)という名作を撮った監督なので、きっと「狂い咲きサンダーロード」を撮影する頃には学生といえども超売れっ子の有名人だったんでしょう。よく知らないけど。いやとにかく石井監督の作品は、圧倒されるほどのパワーが凄い!「パワーが凄い」なんて表現されてもまったくイメージわかないけど、他に言葉が見当たりません。観ていて引きます。

自分が学生の頃はとにかく日本映画といえば「つまらない」の代名詞でした。バブル期の日本映画なんて、本当にヒドかったんです。「就職戦線異状なし」とか「パテオ」とか「これギャグでしょ?!」と中学生~高校生の頃の自分が思ってしまうくらいだった。いや、もしかしたら本当にギャグだったのかもしれない。なんにせよ結局観なかったのだからはわからないし鋭い切れ味で批判なんかできない。今度観てみよう。

そしてこの「狂い咲きサンダーロード」が面白かったか?!と聞かれると「ぜんぜん面白くなかった!」(笑)。だって僕の中では不良映画に出てくる不良は怖くないと不良ではなくなってしまうんです。この映画は立派な不良映画だけど、出てくる不良たちがみんな揃いに揃って革ジャン着てテカテカのポマードリーゼントで、全然怖くないから。そして暴走族同士の構想の裏には壮大な陰謀があるというのも現実味が無くて・・・喋りかたも不良なのに青春映画風に「おいみんな!聞いてくれよ!」とか「やっちまいな!」とか、なんかピンと来ない・・・更にせっかく暴走族風に改造されたバイクにノーマルマフラーが装着されていたり、モトクロスバイクが混じっていたりするのも冷めてしまった。

僕が小学校5~6年生の頃には不良映画のターニングポイントとなる「ビーバップハイスクール」(これもバブル期の酷い日本映画にカウントされてしまうかもしれない・・)が爆発的にヒットしていて、不良映画といえば自分の中での「走り」はこれだった。そしてこのビーバップハイスクールの凄いところは「本物の不良(ヤンキー)を役者に起用する」という当時としては画期的なところだったと記憶しています。だからとにかく(映画としてではなくヤンキーとしての)迫力がハンパなかった。だから自分の中での不良は青春映画風に「やっちまいな!」とか言わない。白目をむくほど狂気じみた目で相手を睨みつけてドスの利いた声で「オラァ!」「コラァ!」と言って凄んでみせる。

なんか勝手に自分の中で作り上げた不良のイメージと違う。だから面白くない。と言っているようにしか見えないけど、実際にそんなもんです。ちなみに不良映画で今のところ完璧な不良映画は「実録暴走族 極悪二代目」(Vシネマ)。「狂い咲きサンダーロード」のようなドラマもないだけでなく、安っぽさは比ではありません。ただ走って喧嘩するだけでオチもない。でもそこに「実録」のリアルさを感じてゾクゾクしてしまうのは多分僕だけです。