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『聖者たちの食卓』はUPLINKにて9/27封切りの映画なので、公開初日にさっそく観に行ってきました!午前中から夕方まで休日出勤し、夕方から急いで会社を出て渋谷のUPLINKへ急行して19:10開始の『聖者たちの食卓』にギリギリ到着したかいがありました。

『聖者たちの食卓』の内容

この映画は黄金寺院というインドの寺院の内部に潜入したドキュメンタリーで、1日に10万人の人たちに食事を無料提供するということを600年間続けているという、ちょっと数字がケタはずれな寺院。そしてこのケタはずれな量の料理を、一体内部では誰がどうやって作ってるのか?!それをひたすら内部で撮影した映画で、音楽は寺院内に流れる民族音楽的なものだけで、挿入された音楽も無し、ナレーション・解説も一切なし。インタビューも無し。

なので、作り手側の解釈や主張が入る余地がとても少ない。「おぉ!こういうのが、ある意味本当のドキュメンタリーなのかも」と思うような映画でした。65分という短さも良かったです(あれが3時間も続いたら絶対に飽きる・・・)そしてとても不思議で謎に包まれたミステリアスな映画でもありました。

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『聖者たちの食卓』の感想

冒頭は黄金寺院で提供しているカレー料理の畑での原材料の「収穫シーン」から始まり、そこから寺院での「仕込み」、「料理」、「食事提供」、「片付け」と順を追ってひたすら流れます。そして食事を提供する方もされる方も、なんだか楽しそうなのが印象的でした。ゲイと思われる男性同士でニコニコと手をつなぎながら楽しそうに作業していたり。とにかくこの黄金寺院では「相手がどんな人であろうと評価をしない」というところだと感じました。相手の人種や年齢、性別、身分問わず、殺人犯だろうが来た人には無条件で無料で提供し続け、戦争時に目の前の広場で殺し合いが起きた中でも、食事提供を止めなかったそうです。「良い」「悪い」も関係なく、難しいことも考えない。ただただ「目の前にお腹をすかせた人がいるから無料で食べさせる」と至極シンプルに考えて、それを貫く姿はカッコ良くもありました。

とにかく最初見て驚くのが、提供する方もされる方も、その人数の多さがハンパ無い。提供する方は材料を運ぶ人、切る人、小麦粉をこねる人、焼く人、鍋でグツグツと煮る人など、各工程の担当者たちがテキパキとシステマティックに連携する姿は爽快です。そして一番驚いたのが、「そこにいるべき・いるはずの人」が全く見当たらなかったこと。その人とは「現場を仕切る人」、いわゆる現場監督です。

日本の大手パン工場のようなコンベアやロボット等のハイテク機器が並んだ現場であっても、取り仕切るリーダーが必ず常駐してて、作業する人たちに常に指示を出したり、トラブル時に対処するわけです。もしくは電子掲示板やランプで合図して、各工程がスムーズにつながるように何らかの指示が必ず出るようになっている。それなのに、この寺院では自動の工程は存在せず、全てが手作業なのに指示を出す人も機械も存在しない。しかも作業者は全員ボランティアで、プロでは無い。それなのに、胸がスカッとするほどのスムーズさと猛スピードで各工程が進んでいくという、なんとも不思議な光景でした。

この光景を見て「アリ」を連想しました。アリも各アリが役割を担い、餌を外から巣の中に運ぶアリ、手狭になった巣を拡大するアリ、幼虫を育てるアリ、外敵から守る兵の役割をするアリ等、役割が分担されて各アリが見事な連携で働きます。そして各役割を分担するアリも、どのように動くかを指示するアリもいないのに各アリがしっかりと仕事をするのは、きっと遺伝子に行動パターンが刻まれているからなんでしょう。そして黄金寺院でも600年間というあまりにも長い間食事提供を続けているうちに、地域の人たちの遺伝子に作業手順や工程が刻まれたんじゃないか・・・そう思ってしまうほど、寺院の人たちの動きはスムーズで何の迷いも無かった。

そして実際の食事は10万人が一度に摂るわけではなく、交代制になっていて一度に提供するのは5000人。歩きながらバケツに入った豆カレーを無造作にお皿に盛って行く光景の第一印象は「超マズそう!!」。そしてこの「マズそう!!」というところがまたゾクゾクするほど好奇心と食欲をそそられるのは僕だけなんでしょうか・・・?

劇中に登場するカレーは「豆カレー」だったのですが、映画が終わってチケットカウンター付近に出ると、レシピとカレー粉と豆がセットで本物の本場豆カレーが売っていたので迷わず購入!!家で早速作って、子供たちと妻に食べさせました。3歳の息子は一口食べて「これ好きくないからいらない」。5歳の娘は「パパおいしいよ!でも今日はもういらないね」とあっさり。妻はどもりながらも「おいしい」と言ってくれました。

下に実際に作った豆カリーの写真を。良い感じにマズそうでしょう?!食べかけなので更にマズそうです。すごくマズそうなので、一番下に貼っておきます。でもね、クセはあるけど、材料は豆とトマトと玉ねぎとニンニクとカレー粉とチリというとても健康的でシンプルで実際の味はものすごく美味しく食べれましたよ(まだ余ってるけど)。

マズそうなのに食欲と好奇心をそそられる不思議で美味しいドキュメンタリー映画「聖者たちの食卓」はUPLINKにて9/27より上映中です!!

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