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今日はスコットランドの独立投票の日。結果は独立反対派が僅差で勝利し、独立は果たせませんでした。そしてそれと同時に頭をよぎる「スコットランド映画」。スコットランドの独立投票を口実に、これまでに観たスコットランド映画の中でも濃くて面白くて心に残った名作映画を紹介。そう、なんでも映画と結び付けてやる!!1990年代後半から2000年代前半は「濃い」スコットランド映画が結構たくさんあった気がします。今回はその時代のスコットランド映画トレスポこと「トレイン・スポッティング」と「シャロウ・グレイブ」と「Sweet Sixteen」の3本。

トレインスポッティング



1997年(だったと思います)この映画はシネマライズ渋谷で公開されると同時に大騒ぎになったのを覚えています。映像、音楽、役者どれをとっても「カッコ良すぎ・・・」と評判をかっさらい、そのポスターはファッション誌のポスターのようでした。とにかく坊主頭のユアンマクレガーがかっこよかった。TSUTAYAに「ミニシアター」の棚ができたのもこの映画がきっかけだったと記憶しているくらい、この映画の話題性はすごくて「トレスポ」という造語までできました。今でいう「アナ雪」のような感じです。このとき僕は大学二年生か三年生で、ビデオが出る前に予告編だけダビングして観ていました(笑)すると当時学部で一番オシャレだった奴と話をしていると、たまたま「トレスポ」の話題になりました。「あぁ、やっぱりオシャレな奴は興味があるんだな・・」と思いながら自分が「トレスポのビデオを持っている。予告編だけど」と話すと「是非貸して!」と頼んできました。当時から他人にお薦め映画を貸すのが好きだった&返ってこなくてもあまり気にしなかった自分は快く貸してあげると、次の日にすぐに反応が返ってきました「これヤバイって!予告編だけで超面白そうだよ!本編も出たらダビングして貸してね!」

そして本編がビデオで発売されるとすぐにダビングし、彼に渡しました。すると今度は反応が無い。「衝撃を受けているに違いない」と信じて疑わなかった自分は、自らその友達のもとへ行って感想を求めると「あぁ・・・まあまあだったよ・・・」と気の無い返事。そう、この映画は話題性はすごかったけど、内容そのものの評判はそれほどパッとしなかったんです。

(自分の身の回りの)映画好きからは「ファッションや話題性ばかりで内容は下品。音楽だって大したことが無い」と言われ、映画ファンでない人には「話題性から期待しすぎた感」を指摘されていました。それでも自分としてはかなりヒットした名作だと思ってます。というのも、「90年代で最も陽気で悲惨な映画」というキャッチコピー通り、登場人物たちや内容の「病んでいる」「滅亡していく」感じがここまで描写されている映画は、自分にとって初めての体験だったので、とにかく新鮮で何十回も繰り返して観るくらい面白かった。スコットランドらしくどんよりと暗く曇った空の下で、麻薬と酒と暴力に溺れ次々と破滅していく姿が、麻薬も酒も暴力とも無縁だった自分にとって爽快であり、何よりも新鮮でした。そして友達に貸したビデオはやっぱり返ってきませんでした。

シャロウグレイブ



トレスポと同じダニーボイル監督とユアンマクレガーの作品で、トレスポよりも2年ほど前の作品です。仲間内では「トレスポより絶対こっちの方が面白い!」と評判でした。当時衝撃的だったのは、そのオープニングのカッコよさ。テクノに乗せた早回し映像がとにかく斬新でかっこよくて、話のテンポも良かったし、主人公の善良な若者三人が金欲しさからふとしたことがきっかけで犯罪に手を染めて追い込まれていくハラハラの展開も、「親友同士で殺し合う」という病んだ展開も良かった。当時はこのシャロウグレイブとトレスポのビデオを持って友達やバイト先のマスターの家に遊びに行っては無理やり見せていたくらい大好きでした。このサイトでも「名作リスト」に入ってます。

Sweet Sixteen

病み具合で言えば、3作品の中でもこの作品が一番です。主人公は16歳のあどけない少年リアムとピンボール。リアムもピンボールも家庭環境が複雑で、リアムの父親はおらず、母親は麻薬のトラブルで刑務所に服役中。母親の恋人である義理の父親と一緒に暮らすが折り合いが悪く、義理の父親も麻薬の売人。ピンボールの父親は麻薬で死亡してしまっている。リアムは服役中の母親を心から慕い、母親が出所したら湖のほとりのコテージに家族で仲良く暮らすことを夢見る。コテージを購入するために金を稼ぐ必要があると考えたリアムは、義理の父親の麻薬をくすねて売り捌くようになる。麻薬の売人としての手腕を発揮するリアムはマフィアに評価され、マフィアに出入りするようになる。ただ「家族で仲良く湖のコテージで暮らしたかった」だけなのに、犯罪に手を染め深みにはまり、最後には取り返しのつかないところまで追い詰められる・・・そしてあまりにも痛々しいラストはなかなか忘れられないです。

sweet_sixteen

以上、スコットランドの独立投票に便乗して紹介した3作品の映画。どれも共通しているのが、スコットランドのその気候も相まってか、どんよりしていて病んでいて、そしてどこか痛々しい。そして今改めて観るとさすがに古いなぁ・・・30年以上前になると逆に「新鮮さ」や「新しさ」を感じるけど、10~20年前って一番古く感じます。でもどれも名作!!