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「もう一人の息子」 イスラエルとパレスチナを描いたフランス映画をDVDで観ました。すごく良かった!! 7/2よりDVDレンタルされています(販売は9/3開始)!

「もう一人の息子」の内容

湾岸戦争の混乱の中、とある産婦人科の病院でパレスチナ人家族の乳児とイスラエル人家族の乳児が取り違えて互いの家族に引き渡されてしまう。そして20年近く経った現在、そのことが血液検査で発覚するところから映画は始まります。

今現在もニュースで連日報道されている「イスラエル軍によるパレスチナ侵攻」。イスラエル人はパレスチナ人を「テロリスト」と呼び、パレスチナ人はイスラエル人を「侵略者」と呼び、長年の確執が両者を引き裂いています。そんな中、息子を20年近く育てて家族で仲良く幸せにやって来たのに、自分と血の繋がりのがないうえに、憎んでいる人間の血を引いていたら・・・その時の葛藤や決断の様子を丁寧に描かれています。 印象的だったのは、両家族とも妻や兄弟含めて女性は冷静、男性の方が取り乱し、怒り狂いどなり散らしてパニックになる姿。

「もう一人の息子」を観て思ったことや感想

ふと思い出したのが学生時代に友人から聞いた話。自分が学生時代に常に感じていたこと「恋人同士が別れると、男の方が未練を残し、女の方が次の彼氏への切り替えがモーレツに早い」。女性経験が豊富な男性友人にこの話をすると、こんなことを言われました。

「女は自分の子供が出来た時に、子孫の数より質が重要な女にとって誰が父親であるかは重要な問題だ。だから女は恋人と別れて次の恋人が出来るとそっちに集中して、以前の彼氏のことは早く忘れる傾向がある。そうしないと子供が出来た時に父親が誰であるのかがわからなくなるから。でも男の方は子孫の数を残したがる本能があるから、一度別れても、可能性を感じる限りヨリを戻したがる傾向がある。だからウジウジと元カノを思い出すんだ」という話を聞いて妙に納得したことがあります。これだけを考えると、女性の方が男性よりも血の繋がりを重要視する。という見方もあるのかもしれません。

確かにこの映画の中でも実の子供から目を背けようとするのは父親の方で、実の子供と向き合おうとするのは女性である母親の方でした。そして実の子だけでなく、育ての子にもバランス良く愛情を注ぐのも母親。その姿に父親が影響を受けるところをみても、やっぱり「母は強し」でした。

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そして一番良かったのは、イスラエルという殆ど未知の国の雰囲気を知ることが出来たこと。パレスチナの過激派が主人公の衝撃的な映画「パラダイス・ナウ」や、史上初のパレスチナ人ラッパーを追ったドキュメンタリー「自由と壁とヒップホップ」の舞台はパレスチナだったけど、イスラエルを舞台にした映画は正直なところ、殆ど観たことがありません。この映画のイスラエル側の舞台がテルアビブという観光地のある豊かな土地柄であるせいもあってか、街や海水浴で賑わう海岸はヨーロッパと見違うほどキレイで豊かな雰囲気で、旅行でもしているかのような気分になれました。

そしてこのような映画は片方を被害者、もう片方を加害者として描かれることが多く、とかくイスラエル、パレスチナを題材にしたものはパレスチナが被害者、イスラエルが加害者として描かれるものが多いです。でもこの映画はとても中立的な視点で対等に描かれ、いたずらに悲劇を演出していないところも良かったし、取り違えられてしまった二人の息子同士が一番仲良くなっていく過程もすごく良かった。

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この映画でのイスラエル側の家族の父親はイスラエル軍幹部という設定で、比較的自由にイスラエル、パレスチナ人自治区の検問を通過してるけど、「自由と壁とヒップホップ」での検問通過の困難さをみると、これは特例なのかもしれません。それでも異国の景色や雰囲気、緊張感と暖かみのある人間関係ドラマがとても印象に残る良い映画でした。

イスラエルとパレスチナの家族を描いた「もう一人の息子」は7/2よりレンタル開始済みです。

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