「ありのままに生きればいい」というキャッチコピーの映画の主人公である57歳の女性グロリアに色気を感じてしまうのは、自分も年をとったせいなのか・・・いや、この優しく上品な顔立ちと、57歳(本当は53歳)でヌードもベッドシーンにも挑戦した女優パウリーナ・ガルシアの魅力があったからこそ2014年アカデミー賞外国語部門チリ代表作品として、第63回ベルリン国際映画祭でも複数の賞を受賞したのでしょう。
話は変わって先日の日曜日は2人の子どもを妻の実家に預かってもらい、妻と二人で7年ぶりに新宿で買い物や食事をしてきました。9月に結婚する妻の28歳の妹の結婚式で着るスーツや来年から小学生になる娘のランドセルの物色がメインの目的ですが、久しぶりに二人で子供の話や互いの両親の話、お金の話をするうちに互いの50代や60代を想像していました。30代以降になると年齢を言い訳に「厳しい」「難しい」という発言や、「筋肉痛が2日後に来るようになった」ことや「体力が無くなっている」こと「記憶力の低下」を自慢するかのように年齢を誇示する友人を目にすることも多くなりました。そして僕はそんな発言を耳にすると、無意識的にその人とはちょっとだけ距離をとろうと少しだけ身構えてしまいます。生き物は年をとる方向にしか(死に向かってしか)生きられないことを考えると、今現在が最も若いし、過去に視点を移せば今現在が最も熟している。そう考えると、何かを始めるのに早すぎることも遅すぎることも無いのだよ。と自分に言い聞かせることも多くなったお年頃の自分にとって、やっぱりこの映画「グロリアの青春」はタイトルだけでも共感してしまいます。