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「自由と壁とヒップ・ホップ」が8/20にDVDリリースされました!!今現在も侵略・空爆の真っ最中のパレスチナ。ここで生まれた史上初のパレスチナ人ラッパーがイスラエル軍によって占領され弾圧されることへの怒り、平和を願う気持ちをラップに乗せる姿を描いた映画です。史上初のパレスチナ人ラッパーグループDAMは「暴力は暴力しか生まない」「銃より強力なのは音楽やアートだ」と主張します。手に入れることすら難しい黒人ラッパーCDの見よう見まねでラップを練習し、英語を勉強してライブを開催し、学校を訪問し音楽で希望を伝えていきます。この姿に共感や憧れをもった若者に広がり、イスラエル軍に射殺された友人の歌を創り、弾圧された現状に対する怒りをぶつける姿を描いています。家を破壊され、空爆、銃撃される姿も。

この映画に登場するヒップホップグループはイスラエルのリッダを拠点とするDAM、ガザ地区のPR、女性ソロとして(家族に内緒で)活動するアビール・ズィナーティの3グループ。一言で言ってしまうと各グループが交流し、西岸地区ラマッラ―でヒップホップフェスを開催する!という企画を立ち上げて情熱的に帆走する姿を描いているけど、裏には何とも言えない複雑な事情がありました。まず、「3グループが交流」とあるけど、各パレスチナ自治区に跨る彼らは自由に会うことはできず、交流の殆どはWEB上で行われます。以下に各グループの画像です。

DAMDAM

アビール・ズィナーティ
abir

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「パラダイスナウ」や「戦場でワルツを」など複数のパレスチナ関連映画を観ているのもあって、パレスチナの状況を比較的知っている方だと自負していましたが、この映画を観て初めて知ったことがたくさんありました。それに現地の空気感を感じることができたのが何よりもとても良かったです。

映画を観ていて驚いたのは、パレスチナ自治区とイスラエルの境で検問が張られているのは知っていたけど、例えばガザ地区内にも検問所があり、14キロ程度(新宿駅から上野駅を往復する程度)の移動に5時間かかるという事実(しかも検問所の気まぐれで、通過を許可されないことも日常だそうです)。イスラエル領域を跨ぐ場合は更に移動は過酷を極め「ここから出られない」という意味がやっと腹に落ちた気がします。イスラエル軍に街を破壊される様子、子供たちがイスラエル軍に投石で抵抗する姿(インティファーダ)、それが原因で(二年前の投石で起訴されて!!)投獄されたり射殺されるという現状も描かれています。点線で囲まれたガザ地区は東京の半分程度の大きさですが、以下で示す距離を移動するにも検問をくぐり、時間にして5時間かかるという・・・


DAMのメンバー、ターメルがリッダの小学校を訪問して小学生たちの前でラップする姿が印象的に残ります。

「君たちはテロリストじゃない。人間だ。君を哀れむ人もいるが、慰めは無用だ。いいか覚えておけ 可哀そうって言葉は忘れろ。思うままに話すんだ。心を開け 恥じるな 倒れても堂々としていろ 頭を上げろ」