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先日ニュースで「仏教に伝わる瞑想法の効果が科学的に実証された」という記事を見ました。仏教で伝わる瞑想が、心を鎮めたり集中力を高めたりする効果があるということが、脳波を観測するという科学的な手法で実証したというものです。面白いのは瞑想にも種類があり、副交感神経活動が活発になった瞑想と、逆に交感神経が活発になる効果が表れた瞑想というふうに、瞑想の種類によって効果が各々異なるというところ。副交感神経はリラックスして休息する神経系、交感神経は覚醒・緊張に関わる神経系です。瞑想というと「心を鎮める」(副交感神経)に対して効果があるという勝手なイメージがあったけど、緊張や覚醒(交感神経)に効果がある瞑想もあるとは結構驚きました。

そして実は自分も(会社での)仕事がどうしようもなくツラいときに「瞑想」はよくやります。YouTubeで「relax meditation 」等と入力して検索すると、いかにも瞑想music的な音楽がヒットするので(例えば以下の動画)、部屋を暗くして足を伸ばして壁に寄りかかる形でベッドに座り、10分ほど瞑想すると何となく気持ちが落ち着いたような気がします。ブロガーとして有名な立花岳志さんも「瞑想を習慣化させたら、心が落ち着き慌てなくなった」と言っていたこともあり、一時期結構活用していましたが、実感としては「効果があるといえばある気もする」程度で、それほど長い期間は続きませんでした。

落ち込んだ心に勇気を足す映画

そして瞑想はそれほど長い期間は続かなかったけど、自然と続いた(というかやらずにはいられなかった)心を鎮める方法があります。それが「寝る前に酒を呑みながら共感できる映画を観ること」。毎日終電でクタクタになりながら夜中の1時半近くに帰宅した後、寝る間際によく観た&気を鎮めるのに効果的だったのが黒澤明監督の「生きる」。全く覇気のない初老の主人公(渡邊)が、ある日突然自分が胃ガンで余命が半年も無いことに気付き、死への恐怖と絶望の中で「今この瞬間を生きる」ことを見出していくという物語であることは今さら説明の必要は無いかもしれません。そしてこの主人公渡邊のコミュニケーション能力の低さ、死を受け入れられずに呑めない酒を浴びるように飲んだくれる姿と、死を受け入れて生まれ変わったように生き生きと仕事をする姿を観ていると、勇気付けられるというよりも不思議と心が落ち着く感覚がありました。

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不安な心に安心を与える映画

もうひとつ心が落ち着くという理由でよく観たのは「ショーン・オブ・ザ・デッド」。これもヤル気ゼロ、毎日プレイステーションと酒ばかりの主人公ショーンがゾンビに囲まれて初めてヤル気を出していくホラーコメディ。やる気ゼロ&ダメダメの主人公ショーンとデブ・ニートのエドは二人とも自分と同年代。これも観ていると「まあ・・・いいか・・・」と気が楽になりました。

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そして更に欠かせなかったのがジム・ジャームッシュの「ストレンジャー・ザン・パラダイス」「ダウン・バイ・ロー」「ナイト・オン・ザ・プラネット」。この3作品もほぼローテーションで毎日のように観ていましたが、やっぱりとても安心&落ち着きました。

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これらの作品はもちろん心を鎮めるにも良い方法だけど、同じ映画を繰り返し観ていると、その時の感情や空気感が映画に刻み込まれるというとても嬉しい二次効果があります。よく昔に聴いていた音楽を久々に聴くと、その時の感情や空気感の記憶がブワァー!!と甦ることってあるでしょう?あれと同じことが映画でも起きます。そして苦しかった記憶ほど、あとから再生される記憶はとても味わい深いものになるという事実。そこから浮かび上がるのは、「この苦しい記憶が数年後には懐かしく味のある記憶に変わる」と意識することで、ツラいくて堪らない現在を冷静に客観的に俯瞰できるとても良い方法かもしれません。

そして今回は「安心」「心を鎮める」という言わば「副交感神経」に効果がある映画を紹介しましたが、「緊張」「覚醒」(交感神経)に効果がある映画も考えると面白いかもしれないですね。こちらは「ホラー」「スリラー」や過激なドキュメンタリーといったところでしょうか?また機会があればこちらも紹介してみます。