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この映画、その内容から気になっていました。平凡で真面目な中年女性銀行員が、若い男性からデートに誘われたことをきっかけに不倫や勤務先の銀行の横領に少しずつ手を染めていき、後戻りできなくなるという「追い込まれ系」。この「少しずつ追い込まれていく」というのをリアルに生々しく描いている映画、結構好きなのです。そして先日、30秒という短い予告編を観たところ、宮沢りえの


「あぁ私自由なんだなって・・・だから、本当にしたいことをしたんです」

というセリフが妙に印象に残りました。銀行の金を着服して金持ちになったから「自由だ」と言っているのか、それとも自由だと思ったから不倫や着服に手を染めたのか、その「自由の意味」がとても気になりました。これは観たいなと感じ、Wikiペディアで原作のあらすじを読んでみると、これが止まらなくなりました。以下はあらすじの要約です↓


銀行で営業の仕事に就く梅澤梨花は、平凡だが真面目に主婦と銀行員の仕事を両立させていた。そしてある時
営業先の若者、光太に誘われてバーに行った。夫と生活も気持ちもすれ違いがちな1年間を過ごしてきた梨花は、若い男性と楽しく気持ちの良い時間を過ごした。そして光太に
「初めて会ったとき、いいなって思ったんだ」
と言われた。

この言葉が梨花の心に強く残った。そして夫と生活も気持ちもすれ違いがちな1年間を過ごしてきた梨花は、
営業先からの帰り道にデパートに立ち寄り、普段なら決して手に取らない高級化粧品を手に取る。
そして現金の手持ちが無いにもかかわらず、営業で預かった顧客の現金を使って支払ってしまう・・・

更にこの後に続く文章がとても心に浸みました。


”お金は後で元に戻せばいいだけだと思っていた。そして実際そうした。こんなことが二度とあってはいけないとクレジットカードを作った。しかしこのことをきっかけに梨花の感覚は狂い始める。 ”

様々な犯罪というのはこういった背景があるんだろうな・・・
ニュースや新聞では、犯罪を犯したそのときだけにフォーカスするけど、そこに行きつくまでには必ず背景がある。普段は真面目でイイやつだけど、ふとしたきっかけで「これくらいなら・・・」「今回だけ・・・」という誘惑に負け、そんな小さな一歩一歩が次第に習慣化し気付くと犯罪者になっている。「実際に銀行のお金を着服した事件」を調べて書いたという原作の映画化はやっぱり気になります。

「父と暮らせば」で最高だった宮沢りえが主演というもの良いけど、更に目を引くのが
不倫相手役の若者、光太役の池松壮亮!この人は僕が先日からしつこく告知している「愛の渦」の主人公です。

愛の渦では一人暮らしのニート役で、「布団代」として親に送金してもらった2万円で乱交パーティーに行くという最高の役柄(笑)。乱交パーティーでは終始オドオドし、緊張で声を震わせる演技が最高だった役者さんが共演というのも気になります。

歪んだ愛情と欲望をきっかけに心理的にも社会的にも追い込まれていく姿をリアルに描いた「紙の月」は11/15より全国順次公開!