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先日2本の衝撃的な映画「Little Birds イラク戦火の家族たち」「戦場の夏休み 小学2年生の見たイラク魂」を観てからイラク情勢がとても気になります。この映画は、イラク戦争時にアメリカが実施した空爆によって何が起きていたか?を描いていますが「Little Birds」では爆撃被害の中心地であるバグダッド付近を、「戦場の夏休み」ではバグダッドから離れた、爆撃被害が比較的少なかった郊外を中心に描かれていて、それぞれの様子がとても伝わってきました。「ニュース映像は出来事の一部を切り取っただけ。戦争の映像を見ると現地は全て戦火に包まれている印象を受けるがそうとは限らない」とよく言われますが、この2つの映画を観てそれがとてもよくわかりました。バグダッドの映像は直視できないくらい悲惨で、やりきれない悲しみとアメリカに対する怒りが画面に溢れていましたが、郊外は比較的平和でフセイン政権を倒したアメリカに感謝している側面もありました。どちらが正しいか?ではなくどちらも事実でした。



そして先日のニュースに「オバマ大統領がイラクに空爆実施を承認」という記事が出ていて驚きました。アメリカ軍は2011年にイラクから完全撤退したのに、今さらまた空爆?!と、正直「何してんの?!」って気持ちになりましたが、これはあくまで感情的な話で、実際に何が起きてるのか情報を収集してみました。

2003年のイラク戦争以来、完全撤退するまでアメリカはイラクを実質統治(占領?)していましたが、2011年に完全撤退。その後も政治も治安も不安定で、過激派によるテロ攻撃が相次ぐ等、状況は混迷を極める様子です。

そして今回のオバマ大統領の「空爆承認」の理由が、アルカイダ系の過激派「イスラム国」によるテロ攻撃。もともとはアルカイダにいた幹部が、ビンラディンの死後にアルカイダを引き継いだトップと対立してスピンアウトして設立されたのが「イスラム国」という過激派組織で、アルカイダよりも更に過激であると噂されます。

イラク北部にある少数のキリスト教宗派の居住地区である「クルド人自治区」へ「イスラム国」が攻め込もうとしているところを、オバマ大統領が阻止するためイスラム国への空爆を「承認した」ということのようです。石油産出量が多くイラク戦争前後も治安を維持し、経済成長率は8%を超えるクルド人自治区を守る背景には石油利権の保持という政治的思惑も否定できませんが(これが悪いという意味ではありません)、印象に残るのは情報の不確かさです。

アメリカ軍がイスラム国の戦闘機を爆撃したらしいという情報があったり、国防省が「この情報は完全に誤り」だとして否定したり、クルド人自治区境界にイスラム国の戦闘員が検問所を制圧したという情報に対して、クルド人自治区当局は「治安維持のためにクルド側が派遣した」として制圧を否定したり、実際に何が起きているのかわからない・・・

「Little Birds イラク戦火の家族たち」「戦場の夏休み 小学2年生の見たイラク魂」のように、現地に潜入したカメラで現地の様子を収められた映画は、何が起きていたかを知るとても貴重なものなんだと改めて実感しました。