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先日観た「VHSテープを巻き戻せ!」は最高に面白い映画でした。そしてこの映画の中でデビッド・ロック・ネルソンさんというとても濃い謎の映画監督が出演していたのですが、この人がとっても面白かった。

この監督、日本語での情報が皆無なので正確なところは良くわからないのですが、ちょっと調べてみたところ、どうやら現代版エド・ウッドといったところのようです。出演する女優は監督の彼女で、演技にもなっていない演技や、手作り感満載の衣装やセットは微笑ましい限りです。でも、この人が話題になり愛されている(かどうかはわからないけど)その理由や、自分がとても面白いと思ったその本質的なところは「くだらなさすぎて笑える」というところではなく、もっと別のところにあるような気がします。

この監督が撮った映画の一部がYoutube上で紹介されていますので、最後に掲載しておきます。記事の途中で掲載してしまうと、恐らく映像も記事も途中で一緒に閉じてしまうと思うので(笑)

この監督は映画の中で
「お金が無いとか、機材が無いとか言い訳するんじゃない!!今撮れるものを撮るんだ!」
と熱く叫びます(下の予告編の一番最後に出てくる会おうTシャツのおじさんに注目です)


そして本編では、この後にせりふが続いていました。それは

「デジタル機器がないから撮れないだと?!おれはデジタル機器なんて持ってねぇ!

「デジタルなんて使わねぇ!」じゃなく「持ってねぇ!」ところがなんとも微笑ましくて可笑しかった。まあそれは良いとして、この人の映画の魅力は「今できる範囲で撮ってしまう!」という前向きなパワーと行動力が映画の中に現れているところなのだと思います。デジタル機器が使いこなせなくても、役者が素人でもセットがショボくても、今できる範囲で撮る。その「できる範囲」が狭すぎて、ちょっと可笑しくなってしまうところはあるけれど、その前向きさに勇気をもらえるところに魅力があるのかもしれません。

そんなことを考えていたら「今できる範囲で撮ってしまうパワー」で思い出した「シャッフル」という映画。この映画は「森達也の夜の映画学校」を読んだ時に知った映画で、監督に石井聰亙、ヒロイン役に室井滋、刑事役に森達也が出演するアクション映画です。ベルリン映画祭では「かつて観たことも無いアクション映画!」と世界に絶賛された映画。石井聰亙監督の自費制作で、室井滋に支払われたギャラは「カップラーメン1個」、機材は母校の大学に借りたもので、映画に出てくる主人公の部屋は当時の監督の自宅だったという、これも当時「今できる範囲で撮った」映画です。(ちなみに刑事役の森達也さんはギャラをもらった記憶が無いそうです)この映画はショボさとは無縁で、とにかくインパクトが凄い。

校内暴力や暴走族が社会問題として浮き彫りになった時代の、一人の若者の暴力と怒りを暴力的に描いたこの作品、映像もジャケ写もなんかすごいインパクトがあります。不良の主人公のリーゼントや剃られた頭と眉毛が妙にリアルでカッコいい・・・
石井監督が大学を退学してすぐに撮った1975年のこの映画、TSUTAYAでレンタルできるところもまた凄い!!
上映時間が30分なので気軽に観れますよ。
shuffle


そうそう、忘れてましたデビッド・ロック・ネルソン監督の映画の紹介動画。一応下に貼り付けておきます(笑)