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昨日、鎌倉で開催された「クリーニングデイ@鎌倉」での試写会に行ってきました。そこで上映されたのは、自分の持ち物・生活用品(パンツや洋服含めて)を全て貸倉庫に預け、更に1年間モノは一切買わずに生活する姿を記録した実験的ドキュメンタリー映画
『365日のシンプルライフ』

10代から映像クリエイターとして活躍し、彼女にフラれてヤケになった26歳のフィンランドの新鋭ペトリ・ルーッカイネン監督による作品です。結論から言ってしまうと、この映画は驚くほどキレイで面白かった!この映画に興味を持ったのは、監督のペトリさんが自分の持ち物を全て倉庫に預けて生活してみて、自分の幸福に必要なモノが何であるかを確認するという「実験」を記録したところ。モノを所有することが必ずしも幸せと直結しないことは最近では知識として誰でも知っているけど、実際に自分が所有していたモノを全部封印して生活したとき、自分の心にどんな変化があるのか?これを実体験を通じて実験してみる。

更にフィンランドという、興味はあるのにあまりよく知らない国の映画というのも、この映画に興味を持った一因でした。
子供の学力レベルが世界一であるということ、国民の幸福度が世界でもトップレベル、寒い、アキ・カウリスマキ、ノキア、ヘルシンキ・・・フィンランドに関する知識を振り絞ってもこんな断片的な知識が出てくるだけだけど、きっとキレイな国に違いない。そんな印象だけ持っている国のドキュメンタリー映画が先行で観れるのはとても貴重な体験でした。

それでも実は観る前はちょっとした不安もありました。こういう類のテーマを題材にしたドキュメンタリーは大量消費時代への単なる批判につながっていく傾向があるような気がするからです。「大量にモノを所有しても幸せにはなれない&大量消費は環境破壊につながる」⇒「大量にモノを所有することはいけないこと」という正しくてまっとうなことをわざわざ映画で主張されても、映画としてはちっとも面白くない・・・

でもこの映画はそういった説教臭さや嫌味は全然無い。周囲のモノを全て強制的に取り除いてみることで、人物や精神的な部分にしっかり光を当てているので、映画としてとても面白い。ペトリ監督が映像クリエイターだということもあってか、ドキュメンタリー映画としては映像や音楽もカッコいいです。

この映画を観てまず驚かされたのは、フィンランドでも夏は皆半袖やタンクトップで外を出歩き、自然の多い景色も街並みも最高にキレイな国であるということを初めて知ったことでした。アキ・カウリスマキで出てくるフィンランドはもっと暗い印象だし、ナイトオンザプラネットでは街全体がキレイな雪に包まれていたし、フィンランドは一年中寒くて雪ばかり降っていて、太陽はあんまり顔を出さない国だと思ってました・・・・


そしてこの映画の最大の魅力は出てくる人物の人柄が明るくて面白い。主人公ペトリの髭が似合わないことにお母さんが腹を抱えてケタケタといつまでも笑う姿や、小学生くらいの従妹に実験のことをバカにされてるときに、ペトリが顔を真っ赤にして爆笑している姿、お婆ちゃんの明るく前向きな言葉も最高に面白くて、思わず顔がほころんでしまった。賑やかさは無いけど、みんな静かでおっとりしていてユーモアがあるというのは北国の人の特徴である。という自分の持論はここにもあてはまりました。
あと、主人公のペトリは大ヒット海外ドラマ「ロスト」の主人公ジャックにそっくりでした。

フィンランド発の上質ドキュメンタリー映画は8月よりオーディトリウム渋谷で公開されます。